仮設多目的ルーム、ついに完成です!

2007年度採択事業

軽量で安価な「車椅子対応型仮設トイレ」及び
「介護用簡易仮設トイレ」の開発並びに販路開拓

は、株式会社フジアウテックさんが助成期間2年で
申請・採択されたものです。

この事業は、2008年3月末で助成期間が終了し、同社斉藤社長が
新たに設立された株式会社One’s アイさんが引き継いで
事業化を急いでいたところです。

その待望の製品がついに完成しました。

思い返すと製品完成まで、斉藤社長にとっては苦労の連続だったと思います。

この事業は、斉藤社長が開発された簡易仮設トイレがベースとなっています。

奇しくも今日は阪神淡路大震災から15年。

さらに今、ハイチ大地震の現地では悲惨な状況になっているようです。

こうした大規模災害における課題の一つがトイレ問題です。

簡易仮設トイレ

  簡易仮設トイレ 初期モデル

この簡易仮設トイレは、プラスチック段ボール(通称、プラダン)を利用し、
女性でも楽々持ち運べる程の軽量化を実現。

この開発の経緯については、2007年度の「創業・経営革新事例集」で
私が紹介させて頂いております。

大規模災害時の防災備蓄用仮設トイレとして、自治体向けに販売しています。

自治体等ではかなりの数の仮設トイレが備蓄されていますが、
そのほとんどが健常者用です。

車椅子で利用できるものもあるにはあるのですが、重さ数百キロ。

これではレッカー車を使わないと移動ができません。

また価格も数百万円と高額で備蓄数量も僅かのようです。

斉藤社長は、車椅子を利用される方のトイレ問題がより深刻であることを憂慮され、
人が持ち運びできるバリアフリータイプの簡易仮設トイレの開発を決意。

おおさか地域創造ファンドに応募されました。

2007年8月のことです。

先行して開発された簡易仮設トイレの完成度は高く、
これをベースにサイズを大きくするだけ(?)

デザインもイメージしやすいものでした。

バリアフリータイプの仮設トイレ構想図

      構想図

私も楽観的で、比較的簡単に開発できそうに思っていました。

しかし、です。

ここからが大変でした。

バリアフリーにするためにサイズを大きくすると、壁面にも強度が必要。

そこで、簡易仮設トイレが6ミリ厚のプラダンを使用しているのに対して、
倍の12ミリ厚、プラダンでは最も分厚い部材を採用。

厚みが増すと当然重量も増します。

天井を乗せると、その重さで壁がたわんでしまいます。

形状も当初構想の五角形から八角形となりました。

金属部材を利用すれば強度を増すことができますが、
斉藤社長は完全リサイクルにこだわり、プラダンで
全部材をつくろうとされたことも、開発を一層困難なものにしていました。

バリアフリータイプ試作第1号

     試作1号機

それでも2007年10月の事業開始から5ヵ月後の
2008年3月には、試作第1号が完成しました。

しかし、天井の重さを支えられず、組立後短時間で倒壊。

失敗です。

天井の構造をゼロベースで検討する必要があります。

そこで思いついたのが、ビーチパラソルです。

テント素材を傘のようにをして、八角形の囲いの上にのせることで、
天井部分を軽量化しようとするものです。

この時点で、早期製品化を図るため、実現可能性を優先、
オールプラダンの追求は一旦中断。

事業は一気に進捗するかに思えましたが、思わぬ影響が及びます。

それは、建築偽装問題。

これにより住宅建築着工が一時的にストップ。

この影響は長く続き、そうこうするうちにサブプライム問題
でさらに建設市場は冷え込む。

斉藤社長は、住宅のエクステリア事業を本業とされていますから、
家が建たないと仕事がない。

また、簡易仮設トイレは、建築現場用にも販売する計画でしたが、
住宅メーカーの経営不振で、開発資金源にしようとした
簡易仮設トイレの販売が思うように進まない。

開発資金が枯渇し、事業進捗が一時的にストップしてしましました。

事業の助成期間は2年。

2009年3月がタイムリミットです。

当初計画の販路開拓までは無理としても、製品化までは終えて欲しい。

いろいろご無理も申し上げながら、事業の進捗を見守りました。

その結果、2009年3月には待望の試作第2号機が完成。

バリアフリータイプ試作第2号機

     試作2号機

同4月4日、5日の「神戸すこやかライフ展」に出展。

ゴールが見えたかに思えました。

しかし、実際のゴールには、まだまだだったのです。

さて、昨日(2010年1月16日)の日本経済新聞朝刊(近畿経済B 第35面)に

多目的ルーム 短時間で設置 One’s アイが開発

という小さな記事が製品の写真付きで載っていました。

先日、斉藤社長にお目にかかった際、1月12日に最終試作が完成し、
同日、日経新聞の記者の取材を受けることをお聞きしておりましたので、
早速記事になったようです。

この記事によると3月から販売し、価格は50万円前後とのこと。

これで、2007年度採択の4つの事業すべてにおいて製品化が完了し、
市場投入ができることになります。

斉藤社長、おめでとうございました。

また、よくここまでねばり強く採択事業を遂行頂き、
本当にありがとうございました。

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2010年1月17日

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