その名はルームオクタゴン

日本経済新聞で紹介されたOne’sアイさんの多目的ルーム。

とよなかインキュベーションセンターで昨日展示されました。

パンフレットよると、製品名は、「多目的キャビン“8”角形 ルームオクタゴン」です。

ルームオクタゴンと斎藤社長

   ルームオクタゴンと斎藤社長

今回の展示は、テレビ局の取材に合わせてお披露目されたものです。

おおさか地域創造ファンド事業で採択された
バリアフリータイプの仮設トイレというコンセプトで展示されていました。

ファンド採択事業が製品(まだ試作品ですが)の形になったわけです。

中に便器が置いてあるのが見えます。

これは豊中市のコインシャワー開発会社である株式会社タニモトさん
お正月返上で製作された「電動圧送式便器システム」です。

汚物の処理を電動で行うことで、仮設トイレの連続使用を
可能にする画期的なシステムです。

今回の展示に先立って、東京都において試作品展示をされていますが、
このシステムは絶賛を受けたとのこと。

まだ改良の余地はあるそうですが、ブレークしそうな予感がします。

斉藤社長は、お忙しい中「仮設トイレブログ」を日々更新されています。

こちらもユニークな内容になっています。

2010年1月19日

仮設多目的ルーム、ついに完成です!

2007年度採択事業

軽量で安価な「車椅子対応型仮設トイレ」及び
「介護用簡易仮設トイレ」の開発並びに販路開拓

は、株式会社フジアウテックさんが助成期間2年で
申請・採択されたものです。

この事業は、2008年3月末で助成期間が終了し、同社斉藤社長が
新たに設立された株式会社One’s アイさんが引き継いで
事業化を急いでいたところです。

その待望の製品がついに完成しました。

思い返すと製品完成まで、斉藤社長にとっては苦労の連続だったと思います。

この事業は、斉藤社長が開発された簡易仮設トイレがベースとなっています。

奇しくも今日は阪神淡路大震災から15年。

さらに今、ハイチ大地震の現地では悲惨な状況になっているようです。

こうした大規模災害における課題の一つがトイレ問題です。

簡易仮設トイレ

  簡易仮設トイレ 初期モデル

この簡易仮設トイレは、プラスチック段ボール(通称、プラダン)を利用し、
女性でも楽々持ち運べる程の軽量化を実現。

この開発の経緯については、2007年度の「創業・経営革新事例集」で
私が紹介させて頂いております。

大規模災害時の防災備蓄用仮設トイレとして、自治体向けに販売しています。

自治体等ではかなりの数の仮設トイレが備蓄されていますが、
そのほとんどが健常者用です。

車椅子で利用できるものもあるにはあるのですが、重さ数百キロ。

これではレッカー車を使わないと移動ができません。

また価格も数百万円と高額で備蓄数量も僅かのようです。

斉藤社長は、車椅子を利用される方のトイレ問題がより深刻であることを憂慮され、
人が持ち運びできるバリアフリータイプの簡易仮設トイレの開発を決意。

おおさか地域創造ファンドに応募されました。

2007年8月のことです。

先行して開発された簡易仮設トイレの完成度は高く、
これをベースにサイズを大きくするだけ(?)

デザインもイメージしやすいものでした。

バリアフリータイプの仮設トイレ構想図

      構想図

私も楽観的で、比較的簡単に開発できそうに思っていました。

しかし、です。

ここからが大変でした。

バリアフリーにするためにサイズを大きくすると、壁面にも強度が必要。

そこで、簡易仮設トイレが6ミリ厚のプラダンを使用しているのに対して、
倍の12ミリ厚、プラダンでは最も分厚い部材を採用。

厚みが増すと当然重量も増します。

天井を乗せると、その重さで壁がたわんでしまいます。

形状も当初構想の五角形から八角形となりました。

金属部材を利用すれば強度を増すことができますが、
斉藤社長は完全リサイクルにこだわり、プラダンで
全部材をつくろうとされたことも、開発を一層困難なものにしていました。

バリアフリータイプ試作第1号

     試作1号機

それでも2007年10月の事業開始から5ヵ月後の
2008年3月には、試作第1号が完成しました。

しかし、天井の重さを支えられず、組立後短時間で倒壊。

失敗です。

天井の構造をゼロベースで検討する必要があります。

そこで思いついたのが、ビーチパラソルです。

テント素材を傘のようにをして、八角形の囲いの上にのせることで、
天井部分を軽量化しようとするものです。

この時点で、早期製品化を図るため、実現可能性を優先、
オールプラダンの追求は一旦中断。

事業は一気に進捗するかに思えましたが、思わぬ影響が及びます。

それは、建築偽装問題。

これにより住宅建築着工が一時的にストップ。

この影響は長く続き、そうこうするうちにサブプライム問題
でさらに建設市場は冷え込む。

斉藤社長は、住宅のエクステリア事業を本業とされていますから、
家が建たないと仕事がない。

また、簡易仮設トイレは、建築現場用にも販売する計画でしたが、
住宅メーカーの経営不振で、開発資金源にしようとした
簡易仮設トイレの販売が思うように進まない。

開発資金が枯渇し、事業進捗が一時的にストップしてしましました。

事業の助成期間は2年。

2009年3月がタイムリミットです。

当初計画の販路開拓までは無理としても、製品化までは終えて欲しい。

いろいろご無理も申し上げながら、事業の進捗を見守りました。

その結果、2009年3月には待望の試作第2号機が完成。

バリアフリータイプ試作第2号機

     試作2号機

同4月4日、5日の「神戸すこやかライフ展」に出展。

ゴールが見えたかに思えました。

しかし、実際のゴールには、まだまだだったのです。

さて、昨日(2010年1月16日)の日本経済新聞朝刊(近畿経済B 第35面)に

多目的ルーム 短時間で設置 One’s アイが開発

という小さな記事が製品の写真付きで載っていました。

先日、斉藤社長にお目にかかった際、1月12日に最終試作が完成し、
同日、日経新聞の記者の取材を受けることをお聞きしておりましたので、
早速記事になったようです。

この記事によると3月から販売し、価格は50万円前後とのこと。

これで、2007年度採択の4つの事業すべてにおいて製品化が完了し、
市場投入ができることになります。

斉藤社長、おめでとうございました。

また、よくここまでねばり強く採択事業を遂行頂き、
本当にありがとうございました。

2010年1月17日

ファンド採択事業者の皆様へ

2009年も今日でおしまい。

また、21世紀の0年代も今日で終わりです。

区切りにあたり、ファンド採択事業者の皆様に
感謝の言葉を申し上げたいと思います。

まず2007年度、2008年度採択の事業者の皆様には、
採択された事業への年間を通してのご努力、心よりお礼申し上げます。

ONE’Sアイの斉藤社長へ

バリアフリータイプの仮設トイレ
完成まで、あと一歩ですね。

先に開発されたレギュラータイプからの発展でしたので、
スムーズに進むかに思えましたが、
やってみると本当にたくさんの課題がありました。

周りの多くの方々のご支援も得ながら、
ねばり強く取り組まれる様子は、
新規事業開発のお手本です。

私もたくさん学ばせていただきました。

バリアフリータイプの一日も早い完成を
楽しみにしております。

中谷産業の中谷社長へ

採択事業により「ESポット」を
製品化いただきました。

コンクリートで固められた日本の河川を
もう一度自然に近い状態に戻したい、
という社長の思いが込められた製品です。

政権交代により、土木工事などへの予算配分が削られるなど、
営業環境は必ずしも追い風ではありませんが、
2010年には「ESポット」工法が
河川工事で採用されますように。

ファーストシーンの日夏社長へ

能勢温泉での交流会でも申し上げましたが、
豊能地域ファンド採択事業者の2009年のMVPです。

まったくのアイデアベースからスタートして、
うみなかみるぞう君」1号機、2号機の商品化に成功、
さらに大きな販売実績もあげて頂きました。

年末にもテレビ番組で紹介され、
たくさんの注文が入ったそうですね。

おめでとうございます。

2010年の一層のご発展を期待しております。

また、ファンド事業者交流会における
ご尽力をお願いしていますが、
こちらもよろしくお願いいたします。

能勢酒造の子安部長へ

開発された「桜川サイダー」、
これはこれですごい販売実績を
あげていただきました。

さらに、地域資源とのコラボレーションによる
新製品を次々と投入頂き、
「地域への波及効果」という点でも満点です。

箕面の「柚子サイダー」に続く
次なる地域資源とのコラボレーション、
どんな製品になるか楽しみです。

トミヅル工業の冨鶴社長へ

和鶴(Tsuru)」ブランドのワイングッズの開発と販売に
全力をあげてくださいました。

いやー、いろいろありましたねえ。

前向きプラス発想で
何事にも全力で取り組まれる姿勢は、
いつもいつも尊敬して拝見しております。

「魅せる商品」と「売れる商品」。

なかなかバランスが難しいところですが、
ブランケネーゼの東社長の「売りが先だ」論に基づく日々の取り組み、
2010年には必ず成果が出ます。出します。出さねばならない。

ブランケネーゼの東社長へ

私はもちろん、多くのファンド採択事業者が
日々たくさんのことを教えて頂いております。
特に販路開拓とマスコミ対策では、
ご紹介頂いたネットワークやノウハウを活用した
成功事例が次々と生まれており、
ファンド採択事業の大きな成果の源泉となっています。

ありがとうございます。

採択事業から生まれた「能勢栗と山芋入りが自慢です。」は、
踊るたこ焼き器とセットで広く流通しています。

ファンドロゴもばっちり入れていただき、
ファンド知名度アップにも大貢献です。

インベイントの福永・赤野両社長へ

お目にかかるたびに、「まだですか」「まだですか」と
急かしてばかりで申し訳ございません。

「売りが先」を実践しましょう。

ところで、別の新事業の方はいかがですか。

ファンド採択事業と合わせて、二本柱に育ててください。

次に2009年度採択事業者の皆様、
採択事業スタートから半年が経過しました。

この間、皆様方には、
景気が悪い中での本業の経営と
新規事業推進の両面でご尽力いただき、
本当にありがとうございました。

私の方からは、助成金の交付を受けるためには、
通常の商取引以上のエビデンスをご準備くださいなど、
あれこれお願いばかりしておりますが、
上記ファンドの先輩方に負けないよう、
引き続きよろしくお願いいたします。

岡田製作所の岡田社長へ

採択事業を着々と進めて頂きありがとうございます。

介護ロボット便座」にも「楽々きれっと」という
ユニークな名前がつき、
モニター提供も視野に入ってきましたね。

是非とも成功頂きたい大型案件ですので、
今後も全力を挙げて支援させて頂きます。

谷尾の谷尾さんへ

日本の古い伝統技法の今日的再現と活用、
具体的には古代鍍金(こだいめっき)
安全な形での技法確立これは、
谷尾さんでしか取り組むことのできないテーマです。

まさに地域資源の活用です。

ユネスコの無形文化遺産に登録された
石州半紙(せきしゅうばんし)の職人さんが、
欧米の美術館・博物館の所蔵品の修復のために、
自分の漉いた紙が多く利用されている、
とお話しになっていました。

古代鍍金で作られた古物は、
古代鍍金でしか修復できないわけですから、
今回の取り組みはこの点からも意義は大きいです。

大いに期待しています。

ドクター・オブ・ジ・アースの河村社長へ

おいしい野菜の目利き力を武器に
農商シェフ連携」のハブとして自社を位置づけ、
野菜の新たな流通スタイルを確立するために、
文字通り日夜奮闘頂いております。

お正月はゆっくり休めるのでしょうか。

独創的なアイデアを盛り込まれた
生産・流通システム「AIR」のサービスインも間近ですね。

2010年、「AIR」と共に新ビジネスが軌道に乗りますように。

山口食品の山口さんへ

能勢温泉で試食した「黒豆納豆」は、
本当に絶品でした。

これ、ネットで売りましょう。お手伝いします。

2010年は、自社農園での大豆栽培が実現するといいですね。

eスローライフの武田社長へ

「行きつけ農村のあるくらし」豊中駅前本店オープン
というビックイベントと共に新年がスタートしますね。

採択事業である「豊能「行きつけ農村」のある暮らし創り」の
コンセプトを広くこのエリアに発信できる拠点になることでしょう。

オープンは、1月7日午前11時ですね。

どのようなスタイルなのか、私も楽しみです。

それでは、皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

2009年12月31日

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